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平成28年度連携講座 : 平成28年度 第2回連携講座
投稿者 : 事務局 投稿日時: 2017-09-27 13:51:05 (43 ヒット)

平成28年度 静岡大学岳陵会 連携講座 第2回

 

 

日 時  20161017日(月)1425分~1550

会 場  静岡大学 人文社会科学部 大講義室

受講生  200

講 師  木下 学 様  ㈱ベネッセコーポレーション

(人文29回 平成9年 言語文化学科卒)

 演 題  「半歩現実、半歩未来」 ~今こそ学ぶと働くを考えよう~

 

 みなさんこんにちは。

 

はじめに人生をかける本気の○○○○をします。

なるべく会ったことのない人とペアを作ってください。

合図をしたら本気の○○○○をして下さい。

(○○○○は秘密)

 

負けた人は退場して下さい!

・・・というのは冗談です。

 

「人生全てかけて○○○○して下さい」と

最初に言われた時、多分皆さんはとても微妙な気持ちになったと思います。

 

「何かがあるかもしれないけど本気で、前のめりにやっていよう」と、私はずっとこの講義で皆さんに伝えてきました。

今回素晴らしかったのは「人生をかけて本気でやる」という気持ちをセットしてもらったとき、「本気でやるので精神統一をしてください」とお願いしたところ、その間、会場が無音になりました。それが皆さんの心に眠っている「本気」ということかもしれない、ということです。

本気でやることは決して恥ずかしいことではないし、それを馬鹿にすることが恥ずかしいことだと思います。自分も本気で取り組む、周りも巻き込んでお互いの人生がより素晴らしいものになるように応援する。そう思いあうことが、大学生活をより豊かなものにすることになるのではないでしょうか。人生一度きりという真実を考えてみる、皆さんの本気を引き出そうと思ってお話ししました。

 

 さていよいよ、今回の講座のゴールイメージです。

 

①:「この講座を通して知り合いを増やしてほしい・ネットワーキングしてみよう。

SNS等で簡単に繋がれる時代ですが、実際は会うまでは相手のことは分かりません。皆さんはお互い講座を取って出会った人たちなので、既にある程度いろいろな関係ができてここに参加していると思いますが、是非交流して貰いたいと考えています。

 

②:「楽しくないと学びは面白くない」

年間80本ほど仕事やプライベートで講演していますが、つまらない内容だと聴講生は寝てしまいます。ですから、私が一方通行の講義はしません。大学時代を振り返ったとき、あの講義は楽しかったし、ためになったな!と皆さんの記憶に残れば良いなと思ってお届けします。

 

では、ここで私に関する情報をひとつお届けします。

さて、「10万」とは何の数字でしょうか?

(睡眠時間、学習時間、友だちの数、との回答)

 

答えは、私が静大に在学していたとき、東京駅にて寸借詐欺に遭い中年男性に取られた金額です。

大学時代、旅行とボランティアに行く為に貯金をしていました。それが貯まってきた頃、千葉にある実家に帰省する際、東京駅にて道を教えてあげた男性から「博多にいくために仲間と待ち合わせていたが、チケットを仲間がもったまま新幹線が出発してしまったので困っている。家族からチケットの代金を振り込んでもらうので、キミの口座を貸して欲しい」と言われました。使用していなかった口座を使ってもらい、振り込まれたお金を渡せば人助けになる、と思った私は、振り込まれるといわれた10万円を時間がないと焦っている男性に先に渡し、見送った後、振込を待つことになりました。しかし、そのあとに不安が押し寄せました。私が東京にいるのは、祝日だったからで、そうすると、振込はできないのではないか、と思いおこしたのです。その不安は的中し、ATMの前に行って口座照会しても金額は変わりません。そうして、結局は10万円が取られてしまいました。寸借詐欺にまんまとひっかかったのです。その時は10万円を取られて悔しい気持ちもありました。しかし、心のどこかで、ネタとして話したら面白いんじゃないか、とも思い、周りに話したら驚かれたり、笑われたりして、就職活動でもネタになりましたから、いい経験に変えられたのかもしれません。

もしかしたら皆さんも大学時代に失敗することはあるかもしれません。それは恋愛かもしれないし、勉強かもしれない、アルバイトかもしれない。でも失敗は、ひょっとしたら他の人には面白いものなのかもしれません。むしろ、成功を自慢されるよりも、こんな失敗があった、大変だったという話をされるほうが、人は受け取りやすいものだと知っておくと、失敗もいい経験だと思えるようになってくるかもしれません。

 

「働く」と「学ぶ」について

これからお話するのは私の考えなので、鵜呑みにせず、皆さんなりに考えながら聞いてください。

 

質問:「皆さんが今学んでいることが将来働くことに繋がりそうでしょうか」

(参加者の半数は繋がりそうと挙手、もう半数は繋がらないと挙手)

 

連携講座の講師は皆さんの先輩で、様々な職業に就いています。この講座を実施している背景は何かというと、「働くということが変化している」からなのです。仕事は今いろいろな変化を迎えています。皆さんのネットワークの仕方も変化しなければいけないし、それについて考えなければいけない時代になっているのです。

 

「学ぶ」の変化

「大学目標偏差値」皆さんも大学合格の際、距離を測るために模擬試験を受けてきたと思います。大学生になり、先々の内定獲得や就職を目指していくことでしょう。社会で活躍するということが大事な視点になってくると思います。働くということは学び続けるということなのかもしれません。

 

「都市にある大学は採用に有利か」 「静大生は劣っているのか?」

これから先どうしていきたいのかを考えるのが苦手なのか、考えることを先送りにしているモラトリアム型の人が静大生には多いのかもしれません。では、主体性が大事なのはなぜでしょうか?働く場所では、最終的に指示がなくてもできることを皆さんも望むと思います。以前、私は静岡大学で就職活動をしている学生たちの面接練習に携わりまったのですが、皆さん上昇志向はあるものの、その時点で素質は分かりません。与えられればやるのではなく、皆さんが経験することが大事になります。静大生は決して能力は低くありません。ただ、危機感を持って臨んで欲しいと思います。

 

「学ぶメリットを理解していないのではないか」

失敗する、どうせ~だから…と考えるのはもったいないです。一年生・二年生の皆さんが卒業する際の就職率は分かりませんし、世界経済や周辺諸国の情勢等、何が変化して影響するのか分かりません。皆さんが何を身に付けておくべきなのかが大切なのだと思います。これから、連携講座を通じて、様々な社会人の方のお話を聞くと思いますが、是非主体性を持って聞いて欲しいと願っています。そして、何故この講座を取ったのかを考え、何かを学び取ろうという学びを目的化することをお勧めしたいと思います。まだ自分から動いていないだけで、でもいつからでも動くことができるのです。自らアウトプットする(形にする)ことも大切です。

 皆さんの後輩である現在の高校生はどんな学びをしていると思いますか。iPadの使用は当たり前、学びは変化しています。先生、生徒、保護者がBYOD(Bring Your Own Device)として、個人所有のPC等の端末を学習に活用しています。それが当り前でない皆さんは、意識して同等のスキルを身に付けていかなければなりません。スキルの高い後輩が入ってくるのです、今からでも意識してそういった端末等を使用したり体験したりすることをお勧めします。

 

 

私の仕事について

何故ベネッセコーポレーションで働いているのか…人を応援することにやりがいを感じるからです。

妊娠時~シニア向けの企画をほぼ全て経験させてもらいました。言語文化学科の出身だからでしょうか、仕事柄「言葉の力」を感じることがあります。その為大学で学んだことを活かして仕事ができているし、これからも活きるだろうと思います。

私は、名前は世界に名前は一つしかない大事なもの、本にしたらお客様から引きがあるということで本を作ることを考え企画しました。最初の時には、全国の28万人の新生児の方に作成して頂けました。とても嬉しかったし、会社からはMVP・グランプリとし表彰されました。

ただ、皆さんもご存じの通り、ベネッセは一度個人情報漏洩の件で全国の方々にご迷惑をお掛けしたことがあります。その際、ニュースステーションでこの本の表紙が取り上げられ、ベネッセはこのように個人情報を収集していると報じられた時は、正直に言えば仕事が辛いと思いました。自分としては28万の人の為に良いと思って本を作ったので、仕事として辛いとはいえ、この責めは会社として負うべきだと思いましたし、今もその際に失墜した信用を回復する為に頑張っている面もあります。

現在は、大学入試に関わる倍率等のデータ等を高校に提供する事業に携わっています。そのデータ等を基に、高校の先生方は静大に入る前のあなた達にアドバイスを色々下さったと思います。なぜこれをお伝えするのかと言うと、皆さんの人生は、何処かで誰かに応援されて成り立っているということです。それをなるべく早めに皆さんに気付いて欲しくて今日伝えました。

就職活動では、今でいうところの「意識高い系」だったと思うのですが、人脈を紡いで先輩に紹介依頼したり、他大学の友人をつくったりして就職活動をしました。「人に誇れる会社でないと、何故静大まで学びに来たのか分からなくなる」と、兎に角面接を受けて人に会いました。それらを通して、あることがきっかけになり、最終的に「人の人生を応援することが自分の生き方だ」と思うようになり、積水ハウスに就職しました。2社目にベネッセに入社。やはり「人の人生を応援する為に何ができるか」と考えて働いています。住宅営業は土日も休みではないし大変な仕事でしたが、顧客から、木下個人として信頼、感謝される仕事をしたかったという思いがありました。ベネッセでは、個人的に信頼され感謝されるのではなく、あくまで黒子のような役回りで、社名を背負いながら、世の中の為になる、人の成長を支える仕事がしたいと思っています。

 

ここから、皆さんに主役になって頂きたいと思います。

ちなみにこの中で「進研模試」を受けた事がある方は挙手してください。模試とは目標を測る為のもので、もしかしたら皆さんも模試の結果によっては東京やの名古屋の大学を目指していたかもしれませんね。でも縁があって結果静岡大学に入学されました。

私自身、静岡大学への入学を強く希望していたかというとそうではなく、後期試験で入学しました。都心の有名私大と迷いましたが、静岡は良い街だと思いましたし、入学する前の年に言語文化学科が開設したのですが、人文学部では、社会学科の科目もとることができることで、歴史や心理学、社会学も学べるし、法学科や経済学科の社会科学系の科目も、学部内で学べて単位になることを知り、好きなことを学べると思いました。実際、大学に進学してからも先生に「やりたいことをやりなさい」と言って貰え、応援していただきました。

 

人生は一回きり、人は誰だって生きているからには必ず死ぬ、だからこそ「自分がどうやって生きていきたいのか」を考えて、したい事を挙げて欲しいと思います。それが実際にできるかどうかではなく、自分の事を考えて正直に言える事というのは大事です。静大生の良いところは素直さです。しかし就職活動になると自身のPRポイントは中々出ず、若干腰が引けて大人しくなってしまっています。今日はその為のトレーニングだと思ってください。

 

大学は世の中に貢献出来る人材を送り出す為にあります。大学がどんな「アドミッションポリシー」や「学術憲章」を掲げているかはとても重要。各大学の「アドミッションポリシー」や「カリキュラムポリシー」は多くの企業の人事担当者は参考にしています。人文社会学のポリシーは「知的な活動が展開される知の協同体」協同体=皆さんはチームメイトです。一人で悩む必要はないし、正直であることを馬鹿にする必要は全くありません。皆さんの人生は誰のものでもない皆さん自身のもの。それを踏まえた上でワークに取り組んで欲しいと思います。

 

「世の中に出ていくとき、自分は何を大切にするのか」

(ワークシートへの記入・

聴講生同士のインタビュー時間)

 

 

最後に自分を表す一文字を自ら記入

(聴講生同士のプレゼンテーション時間)

 

小学校・中学校・高校と大学の違いは何でしょう。今までは皆さん唯一の正解を求められてきたし解答してきたと思います。大学ではそれぞれに異なる各個人の考えやそれに到る理由を鍛えていく場です。今日この授業でインタビューやプレゼンテーションを通してその体験をして欲しかったのです。

大学の授業は役に立つのか、私は役に立つと思います。年間400万円の授業料を払って1,000コマの授業を受けるとした場合、1授業は4,000円。皆さんがアルバイトでこの金額を支払う場合、何時間働くことになりますか。今この時間も有限だし授業料も発生しています。皆さんをこの場に送り出してくれた人たちに感謝して欲しいと思います。

大学は皆さんの背景になります。私自身この静岡大学を卒業することによって様々なご縁を頂いています。私は私自身の名刺を2枚持っています。1枚はベネッセコーポレーションの木下として、もう1枚は大学生のキャリア支援をする木下として、です。

今年10月もボランティアで熊本県に行きました。熊本県における大学生のキャリア支援は5年目になります。震災前の今年3月の熊本にも行きました。震災前と震災後では熊本の大学生の気持ちが全く違っていました。なぜなら支援される立場に立ったからです。もしかしたら皆さんも支援される立場になるかもしれません。自分は誰を支えたいのか・世の中をどう変えていきたいのかを考える場に大学をして欲しいと思います。そして、自分だけの発想から抜け出すこと、自分の生まれた意味を創って欲しいと思います。

 

不本意な受験の結果でこの大学に来てしまったと思っている人たちへ。

皆さんは誰かに応援して貰ってこの場所に辿り着いているはずなのです。最終的な決断は、自ら下してここにいるということを思い出して欲しいと思います。大学はとても親切であると同時にとても不親切であり、自ら望まないと何も得られません。皆さんの力は無限大。話したり表したりするだけのような小さなきっかけで変わる可能性もあるのです。是非それを大事にして欲しいです。自分の人生を後悔しないように。

 

皆さんが半年後どうなっているのか本当に楽しみです。最後の会でワクワクした気持ちでお会いしましょう。

ありがとうございました                                          (拍手)

 (文責: 海野 徹 人文4回 経済学科)

 


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