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平成28年度連携講座 : 平成28年度 第14回連携講座
投稿者 : 事務局 投稿日時: 2017-11-24 15:56:38 (101 ヒット)

平成28年度 静岡大学岳陵会 連携講座 第14

 

 

日 時  2017123日(月)1425分~1550

会 場  静岡大学 人文社会科学部 大講義室

受講生  180

講 師  玉置 良美 様  中部電力株式会社 販売カンパニー事業戦略室

(人文41回 平成21年 社会学科卒)

 

演 題  「現代社会の変容とキャリア形成」

 

 

 皆さんこんにちは。今日は、大学時代及び社会人生活の経験から学んだことの中からひとつでも多くのことを伝えたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

講義に入る前に、いくつか問いかけをさせていただきたいと思います。

皆さん、携帯電話の検索画面を開いて、私「玉置良美」で検索してみてください。

おそらく静岡大学出身、今日の連携講座の講師くらいしか出てこないと思います。FacebookTwitterもやって言いませんから。では次に自分の名前を検索してみてください。どんな情報が出てきましたか?恥ずかしい情報はでていませんか。今後、就職活動をするにあたって採用担当がみても大丈夫な情報だけでしょうか。自分が流した情報がどんな形で残っているかわかりません。ネットの怖さを知ってほしいと思います。

 就職活動するにあたって、黒のリクルートスーツ、黒髪でストレートと変えていかなければいけません。あまり格好よくはないですよね。しかし、就職活動とは社会人になるための準備期間です。採用担当者に、社会人として自分はこういう風に過ごしていきますという意思表示をする機会です。就職活動の時にオンとオフの切り替えができなければ社会人になってもできません。学生時代のうちに切り替えができるようになることが望ましいと思います。

 就職活動するにあたってライバルは誰でしょうか。県内で就職活動するのではあれば県立大学、静岡大学の同級生、Uターン、Iターンの学生でしょうか。東京や関西の学生は意識が高く、就職活動の準備を早くから始めています。勝てる自信がありますか。無い学生さんは、自分を磨く、自分作りをしなくてはいけません。そのタイミングは就職活動が始まってからでは遅いです。今からできることを少しずつ考えてほしいと思います。

 なぜこんな話をしたのかというと、私が就職活動をしている学生に会う機会がたくさんあったからです。4年前には静岡大学に来て、中部電力㈱の企業説明を担当しました。その時感じたことは、静岡大学の学生は話を聞くだけで反応が薄い、真面目に聞くことはできるけれどそれだけという印象です。静岡大学の学生が他の学校に劣っているとは思いませんし、やればできると思います。ただ始める時間が遅い、のんびりしている感じがあります。今日の話を聞いて危機感をもち、早めに動くきっかけになってほしいと思います。

 

 

それでは、本題に入っていきましょう。

 

私は、昭和61年生まれ、現在30歳。人文学部社会学科を卒業して、平成214月から中電電力株式会社で7年間働いています。


大学4年間で力を入れたことは特になく、バイトをしたり、旅行に行ったりと普通の学生生活を送っていました。ただ一つだけ頑張ったことは就職活動です。当時は、大学3年の10月から解禁、1月からエントリーシート提出し面接を行っていました。正式な面接の解禁は4月からでしたので、約6か月かけて準備していました。今年は、3月に就職活動解禁、6月に面接解禁と6か月でやったことを3か月でやらなければならないので大変だと思います。

 

私が就職活動で危機感を持つきっかけとなったのは、大学3年の10月に東京のビックサイトであった就職説明会に参加したことです。私自身は静岡県内での就職を希望していましたので、半分遊びを兼ねての参加でした。しかし、東京の学生は意識が高く、話を聞き終わった後に採用担当者を質問攻めにしていました。私はまだその準備ができていなくて、結構な差がついていることを感じました。自分より準備の進んだ学生を目にし、このままでは負けるなと思ったのがこの10月でした。そこで、自分から動き出し、1月頃から少しずつ内々定をもらうことができ、最終的に中部電力㈱に就職しました。

 

 学生時代やっておけばよかったということは、時間をかけた旅行です。社会人になると時間がとれません。学生時代には時間をかけた旅行をしてほしいと思います。

また、学生の特権としてジャンル・規模にとらわれず企業訪問ができます。行きたい会社に行くだけでなく、その会社のお客様となる会社に行ってみてください。また、ライバルになる会社に行って、どこが強みなのか聞くのもいいと思います。

エクセルやパワーポイントの技術を磨くこともおすすめします。エクセルでの処理が早くできる、資料作成のセンスがあれば、先輩に仕事を頼まれるようになります。そうすることでまわりから信頼され、上司に覚えてもらえるのです。時間がある学生のうちにこの技術を磨いたら、入社後の強みになると思います。

 

 先ほど、1月くらいから少しずつ内定をもらい、最終的に中部電力㈱に入社を決めたと話しましたが、どうして中部電力㈱に入社を決めたのかを話していきたいと思います。

地元は焼津で静岡大学に行き、静岡から出るつもりはありませんでしたので、静岡県内の優良企業を片っ端から受けていました。内定をもらったのは、地元メーカーや、自宅から通える金融機関。それがなぜ中部5県に勤務地があり本社が愛知にある企業にしたのか。初めは自宅から通えるところがいい、やりたいことが決まっていませんでしたので、正直静岡県内であればどんな企業でもよく、色々な業種を受けていました。気持ちを切り替えた理由は、どんな人生を歩みたいか、どんな軸を大切にしていきたいのかを考えたからです。仕事・趣味・生活スタイルはいずれも大事なことです。仕事を選んだ時に、自分のやりたいことができるか、将来子供を産んだ時に育てることができるかどうかという基準で考え、結果中部電力㈱を選びました。

 

ここからは、入社後のキャリア形成について話していきます。

中部電力㈱という会社は、皆さんご存知だと思います。当社には営業部門、技術部門、燃料を調達する部門、人事・総務部など色々な部門があります。

 

入社直後は、お客様の電話応対をしていました。「電気をつけたい」とか「停電の時はどうしたらいいか」といったお客様からの電話の応対です。10年前は、大卒の新入社員でもここから始まりました。しかし今の新入社員はしていません。当時新入社員が担当していたようなマニュアルがあるような電話応対は主に外部委託、非正規社員がやっています。新入社員はもっとイレギュラーな事象の対応をするように変わってきました。最初から即戦力とされています。今の新入社員がどのような仕事をしているのかは、入社3年目くらいの先輩に聞くのがいいと思います。

3~5年目は、人事部で福利厚生の仕事を担当していました。従業員が安心して仕事に専任できるように、社内の人間を客様とみなして仕事をしていました。

現在は、営業部門にもどって、現場から少し後方の仕事。電気がどれだけ売れたのかの取りまとめや分析、電気の売れ行きから経済がどのように回っているのかを分析する仕事、新しい分析ツールの構築などをしています。

 

では、各部門においてどんなキャリアアップをしてきたのかをお話しします。

 

新入社員~3年目の営業所時代。入社してすぐには仕事ができません。初めに2週間の導入研修を受けました。挨拶、お辞儀の仕方から会社の歴史、電気の知識を学びました。学生から社会人へのオンとオフの切り替え、社会人としての心構え、社員としての必要なスキルを身につけていきました。この当時は、まだ経験したことが無ければ先輩に任せることが許される時期でした。

3~5年目の人事部。福利厚生を担当。新しい企画を担当するようになり、例えば社員のニーズを調べ、介護と両立をどうしたら支援できるかを提案したりしました。入社4年目では、新入社員の講師として学生を教える立場に。まだまだそんなレベルではありませんでしたが、自分ができることを教える、知らないことも自分があたかもできるかのように後輩に指導していました。できなくてもできるかのようにふるまわなければならないということを学ぶとともに、集団における自分の立ち位置を知ることができたと思います。

5年目~現在は、再び営業部門で、新しい分析ツールの構築などをしています。社会学科卒業なので、システムに詳しいわけでもありませんが、やることが決まったので知識を後付けでつけていきました。ここでは判断を求められたときの優先順位をつけることができるようになりました。仕事を通じながら学び、ステップアップにつなげることができるようになりました。

入社7年目で、まだまだ学ぶことが多いですが、“立場が人を成長させる”と思っています。今は、先輩の後姿を見ながら学び、後輩二人の指導をしています。

 

将来やりたい仕事が決まっていなかったとしたら、興味あるジャンルに積極的に足を運んでほしいと思います。ネットの情報だけで決めること難いですし、実体験をして納得してから決めないと就職後に後悔すると思います。バイトなどで興味ある仕事を実体験で学ぶことが大切です。

私は、社会人がどのように1週間働いているのか身をもって体験するためにインターンシップで運送会社に行きました。ここで自分の能力が社会に役立たないと実感しました。文系ならば英語ができないと話になりません。日本の企業であっても、お客様が海外ということもあります。私は語学が堪能ではなかったので、こういう会社には就職できないということを実際に足を運んでみてわかりました。

このように、経験しないとわからないことがあるので、会社に行き最近入社した先輩の話を聞くことは大切だと思います。

 

就職先を選んだとしても、すぐにやりたい仕事ができるとは限りません。やりたい仕事があってもその仕事につけなかったときにぜひやってほしいのが、社内での第2第3の就職活動です。どんな会社でも異動というものがあります。恥ずかしがらず、まわりの先輩や、上司、場合によっては人事の人にアピールしていくことです。チャンスは自分でつかまなければいけないと思います。やりたい仕事がやれるようにアピールする、また能力を身につけるということを続けていってほしいと思います。社会に入ってからも学ぶ場、スキルアップする場はありますし、しなければならなりません。与えられた仕事を漠然とするのではなくて、次のステップに上がるために、自分は何を身につけたらいいのかということを考えてほしいと思います。

 

 今回の講義のテーマである“現代社会の変容”と考えたときに、10年前と今では置かれた状況が違っています。決して40代・50代の話が古いわけではなく、学ぶことがたくさんあると思いますが、10年前、20年前の成功体験が今の時代に通用するとは限らないということも知っておいてほしいと思います。

また、キャリア形成を“自分づくり”と置き換えてみますと、社会人になってからもやり続けなければいけないことだと言えると思います。社会人になったらすぐに仕事ができるようになるわけではありません。その時その時求められるスキルを、先輩社員の後姿を見ながらできるようになっていくということを続けていってほしいと思います。

 

最後に、本題から少しそれてしまいますが、皆さんは、親子関係は良好ですか。大学を選ぶときに親と真剣に話ができましたか。是非とも親子関係を見つめなおしてほしいと思います。冒頭にライバルの話をしましたが、逆にいうと味方はだれかということを伝えたかったのです。親は必ず皆さんの味方です。社会人として経験を積んだ先輩でもあります。聞いてみると、今まで20年間見つめてくれた親だからこそのいいアドバイスをくれると思います。是非とも親と話をする機会を設けてほしいと思います。

 

 7年間の社会人生活と、4年間の学生生活で学び得たことを紹介させていただきました。私の話を受け入れられないと思った学生さんもいるかもしれません。受け入れられないと思ったならば、そう思った感情を大切にしてください。感情の裏には何かの理由があると思います。まだ時間もあるし選択肢もたくさんあります。“なぜ”と考える時間を持つことで、社会人になった時きっと役に立つことがあると思います。皆さんがいい就職活動ができ、後悔しない社会人のスタートが切れることを願っています。

これで私の話を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

(文責: 有賀由紀子 人文28回 言語文化学科)

 


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