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平成29年度連携講座 : 平成29年度 第2回 連携講座
投稿者 : 事務局 投稿日時: 2018-04-11 15:20:44 (37 ヒット)

平成29年度 静岡大学岳陵会 連携講座 第2回

 

日 時  20171016日(月)1425分~1550

会 場  静岡大学 静岡キャンパス  共通教室B501

受講生  80

講 師  木下 学   ㈱ベネッセコーポレーション

(人文29回 平成9年 言語文化学科卒) 

演 題  『これからの学びを創造する』
~「まなぶとはたらく」を未来へ~
 

 

みなさん、こんにちは。ベネッセコーポレーションの木下学です。29回卒、言語文化学科比較言語文化コースの卒業です。

 

今日はガイダンスの後の講義ということで「過去は変えることはできない。未来をどう作っていくのか?という話をしていきます。私はいままでの連携講座ではプリントを配布してきましたが、今回からプリントの配布をしません。ちょっと親切ではないかもしれませんが、皆さんが必要だと思ったらメモを取ってください。

 

私は今の会社が2社目です。1社目、つまり静岡大学を卒業したときは積水ハウスに勤め、2004年に円満退社をして、現在も働いているベネッセコーポレーションに転職しました。ベネッセでのこれまでの業務は、エリアでのマーケティング、カード事業、NPOへの出向、人財部で海外人事のサポート、そして中高領域に対する学校を通した学力向上、ICT支援などを行っています。

1社目と2社目で共通の事項があります。一つ目は、私は基本おせっかいな気質で、人との人生や節目に関わる仕事に就きたいということでした。その中でも、私は緩い目標や雰囲気の中で働くより、厳しい目標や挑戦もある環境で働く会社もほうが向いているし、自分を磨くことができると思っています。

二つ目は、社名で呼ばれるよりも、「ベネッセの木下」とか「木下」と呼ばれる仕事がしたかった、ということです。学生時代から個人の力が問われるコンサルティング、営業をしたいと思っていました。「木下でなければここまでやれなかった」といっていただけたり、社名よりも名前で呼んでいただける機会が増え、そういったとき自分が仕事をしている使命、やりがいを感じています。そのために自分を律していかねばと思い、特に人との関わり方として、学生時代からいろんな方々とのご縁は大切にし続けています。

三つ目は、後悔をしない仕事をするということです。人生は一度きりだからこそ、自分がどこかで役立っている、繋がっているという思いを持ちたいと、社会のために貢献する、創造することができるという仕事をしています。そのため、当時からリーディングカンパニーに行きたいと思って周りには宣言していました。業界でこの分野では特に優れている、他の追従を許さない、ということは何か理由がある、それを自分に引き寄せて徹底して分析したり、仮説を立てたりしました。世の中を支援しているという誇りと実績は大事にしています。

そして、四つ目は、理想に向かって猛進するということです。大学時代には、1社目の会社に決めるにあたって、先輩OBや社員の方に、会社が掲げている「人間愛」という理念がどう現場に浸透しているかを聞きに行きました。足蹴にせず、丁寧にお話しくださったこと、風通しの良いところこともあって入社を決めました。今の会社は、選考のディスカッションの中で「この人たちと仕事をしたい」という気持ちを強く持ちました。

仕事を決める共通点としては、働くこととは、それぞれの人生の中で自分らしく生きていくという価値を作ることであり、自分らしさを作り出すことかもしれません。これを、今日の皆さんへのメッセージにしたいと思います。

 

さて、私の現在の仕事について触れていきます。

2020年には大学入試や高校入試が大きく変わります。まず大学入試が先行して変わっていきます。私たちはこれに照準を合わせて、学校に対しての情報やサービス提供を行っています。皆さんは、この大きな教育改革の端境にいるわけです。たとえば、みなさんは高校では英語は3技能で学んできたわけですが、これに4つ目の技能としてスピーキングが加わり、受験形式が変わっていきます。センター入試、一般入試、推薦入試、AO入試も、小論文や集団討論、プレゼンテーションで自分のプロセスと実績も学力とともに評価する形式に変わっていきます。これらの動きに学校の先生が対応していくことは大変なことだと思います。今でも、先生方は朝から夜遅くまで、多くの仕事に忙殺されています。このような状況に少しでもお役に立ちたいと思っています。

これまでは筆記中心の入試でしたが、これからは、学校でどのような学びを提供し、どのように階段状に積み上げていくのかということになります。調査書にはこれからはこれが高校1年の段階から必要になってきます。

 

また、海外ではすでに起こってきていることですが、AI(人工知能)が人間の仕事を奪っていく、とも言われています。たとえば、タクシー運転手、銀行の窓口業務、法律事務所の事務作業など、置き換えができる仕事、自動化が出来るとされています。これからは、人間は置き換えができない仕事に携わる必要性が生じます。

 

みなさんは、何を知っているの、何ができるのかは経験済みでわかっています。これからは知っていることをどのように活用するのかを意識していくことが大事です。一方通行から、心の中で思っていることを相互交換しながら教育ができたらさらに盛り上がります。高校でも学力の3要素をどのようにすればいいのかが検討されています。実際には2018年度に高校1年になる人から変わってきます。今の中学3年生が世の中に出てくるときに、この変化に対応する力がないと、先輩としてやりづらくなってきます。

思考して、考えて判断しそれをいかに表現できるかどうか、皆さんは端境の年代として、それを意識していくとよいかもしれません。

 

私は、日常の仕事で、学校の先生の研修も行っていて、本年は100校位を訪れています。さらに、自分の母校である高校の先生方に研修を行っています。私学なので、当時自分が学んだ先生が1/3くらいいます。また、静大の人文や工学部の教授の方にも研修を行なったことがあり、静大はもっと戦略をもったほうがよい、というアドバイスもしましたし、教授会に呼ばれたこともあります。ベネッセの講演や、学校に行っての支援の講座も行っています。

そんな中で、山梨県の高校の先生方の集まりの席で「ベネッセの木下は頑張っている」と話が出ていたことを教えてくださったときは嬉しくなりました。私自身は、これからも世の中を、地域を支える仕事をしようと思っています。

 

学生時代に得た知識や経験を、仕事でいかに活用していくのか、についてですが、私のいた言語文化は当時、女子8割、男子2割で、文学を学んだ男子が少なかった印象があります。つぶしが効くから、工学部や経済学部というのはいまいちしっくりこないように思っていました。私は、文学や文化を通じて人間の本質を知りたいと思っていました。学生時代から幅広い学びに興味があり

児童文学や絵本にも興味を持っていました。今から5年前、社内で行われたコンペでお名前入り絵本という企画が事業化し、グランプリを受賞しました。世の中の人がブログなどで感想を書いてくださっているのを目にしたとき、胸が張れる作品になったように思いますし、少しは言語文化卒である意味を自分の人生の中で創ることができたようにも思います。

 

 

静大生のお話をすると、学内で不満に思うこと、例えば校舎や設備などの環境のことも含めて、学生および先生からアンケートをとったことがあります。学生は先生をどう見ているのか、先生は学生をどう見ているのかという内容です。その後、大学では授業アンケートというのが定例化したそうです。私はおせっかいなことをするのが好きで、思っていることを周りに伝えてしまった方がいいと思っています。アドラー心理「嫌われる勇気」をもって進みたいと思っています。ここまでは、私の仕事の断片について話をしました。

 

はっきり申し上げて、静大生は主体性が弱い傾向があるように思います。受け身で授業に対応している人が多い。しかし、指示がなくても自分で考えたことを実行していくことで、可能性は無限大にできます。社会に出ると、会社や家族など責任や見られ方が付きまとってきて、はみ出した動きができないケースが出てきます。大学時代には、このような束縛も少なく、経験を積むことができます。「経験をすること」を感じ取ってください。

また、「資産」を持つことです。これは主体性のある行動やディスカッション、資料まとめができることなどで培われるものです。自信を持てば意欲が出てきます。皆さんはツールやプレゼンテーションは十分にできます。周りに自分を自慢してみることも大事です。自分の人生を変えるきっかけの経験をしてください。今なら失敗しても大きい事故にはならなく、許されることが多くあります、主体的なところを引き出した方がいいです。

 

全体のまとめとして・・・

  自分から動くこと。今の私の話を全部理解できなくてもいいが、どこかでわかってくれたらありがたいと思います。

  お互いが何を考えているのかを話し合う、アウトプットの体験をしていただきます。ふだんできていないことを話し合うことにします。

 

【ワークショップを実施】・・・内容は省略

 

学生時代はお金を払って授業を受けています。今、この時も、実は無料ではなく、有料の時間が過ぎています。そのお金は、親御さんの仕送りや奨学金です。社会人になると、自分で都度お金を払って学びに行かなければなりません。興味を持っていること、やりたいことを掛け合わせて、やってみましょう。出口=卒業から逆算し、学生生活でやるべきことを設計することが必要なのかもしれません。一般的に積み上げ式が多い大学生活ですが、最後にできなかった、で終わってしまう可能性があります。自分探しをしても出会えない、というのが私の考え方です。今の自分を創り、自分を育ててください。知識、スキルと経験は自らを育ててくれます。キャリアアップのための言葉として受け取ってくれたらありがたいです。

 

 私はこの連携講座の最終回の担当もしますが、そのときのタネを作るために考えてみました。筆記用具だけを持って6人でグループを作って話し合いをしていただきます。グループは学科や友人関係とは切り離して組んでください。それは新しい出会いを作ってほしいからです。

 

【・・・それぞれグループを作ったうえで・・・】

各グループで、学科、学年などの情報交換を始めてください。15回目の最後の講義では、このチームで集まりますので、今からチーム名も決めてください。そして「チーム〇〇、いいアウトプットをするぞ!!」と宣言してください。これから15回の連携講座を行っていきますが、最終回の講義の時によかったと思うために、大切にしていきたい自分たちのチームの目標を、5分間話し合って決めてください。そして、各自がその目標を記入しておいてください。

【・・・記入後に、学生3人に感想を聞いた・・・】

 

 

結びに・・・

 

私は人生を振り返って、静大卒でよかったと思っています。自らの学びを創りあげられる、これが言語文化で学べた幸せでしたし、人の心もあたたかい静岡で学び、4年間で得た財産はいまでも大切な宝物です。後悔はしない、この場所にいた意味を作ることが大事なのかもしれません。ここ、静大にいたことを振り返ることができる人生にしていってください。今のうちからトレーニングし、自分のために、そして、誰かのために、という広がる発想を持ってください。仕事も世の中の誰かを応援することであり、その成果と報酬を得て、自分が感謝されると自己肯定感が高まるもののように思えます。それぞれの人生の中で、静大に入学して卒業したことを意味あることといえることは素敵なことだと思います。

 

「決断を正解にしよう」・・・自らが宣言したことを自分が裏切るのは、心の中では一番辛いことです。いろいろに静大生にうかがって思うことは、静大は必ずしも親切ではない。言い換えれば、皆さんが自分から歩み寄ることが必要です。不満足な点は意見を言ってもいいでしょう。学生の反応によって先生方も学生の変化を知ることになるはずだからです。もったいないのは、不満に思いながら何となく過ごすこと。これはもったいないです。静大をセンター試験の結果で入ったという人に伝えたいのは、これまでみなさんを応援してくれた先生や家族とのつながりがあってこそ、静大に入ったことを思い出してください。静大という“バス停”から次にどこに行くのかを考えるためにも、残りの連携講座で聞くことができる先輩たちの体験やメッセージです。皆さんとは最後の会でそれを共有できればうれしいと思っています。

 

 静大で過ごす時間は、かけがえのない時間です。ちょっとすれ違った人、初めて出会った人とのその後のコミュニケーションを大切にしてください。それがこの講座を8年間岳陵会が継続してきたことの意義だと思います。繰り返しになりますが、学生生活を卒業から逆算して、あと何日、残りの日々をどう過ごすのかを考えてモチベーションを上げてみましょう。

 

人生は一度きりです。定年坂という急な坂を毎日登っているキミたちは頑張っている人たちです。眼下に広がる自然豊かな風景を見てキャンパスに登り、何かを学んですがすがしい気持ちでキャンパスを下ってくれることを願っています。

最後に、「人生は人によって磨かれる」という言葉を贈ります。私が仕事をしている中でいただいたメッセージです。後輩である皆さんが、多くのご縁に恵まれ、静大でよかったと思える学生生活、人生を過ごしてくれることを願っています。ご清聴ありがとうございました。また、最終回でお会いしましょう。

 

(文:岳陵会副会長 祐嶋繁一 人文4回 法卒) 

 


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