文系の価値を今こそ見直そう11 法学科安藤まりなさん

投稿日時 2017-01-27 12:16:01 | カテゴリ: 3.在学生からのレポート(学生レポーター)

こんにちは。学生レポーターの大石 真です。

12月に行われた各学科の研究成果発表会が行われました。今回は、法学科で優勝した安藤まりなさんに、取材してきました。

優勝した人またはチームは、1月19日の学部全体の研究成果発表会に出場することになっています。

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1.今回の発表の概要を教えてください

 

 「インドネシアにおける多様性の中の統一 イスラム教徒の物質主義観の現地調査を通して」というテーマで行いました。インドネシアは、経済成長の真っただ中にありますが、イスラム教徒の数が世界一の国でもあり、インドネシアにおける経済と宗教の調和がとれているのか調査しました。また、インドネシアは言語的、民族的、宗教的に非常に多様性のある国なので、多様性を維持しつつどのように統一がされているのか研究しました。

 

2.どうしてこの内容に取り組むことにしましたか。

 

 わたしは、インドネシアへ約1年間留学をしました。政治思想ゼミで、多文化共生について学んでおり、多様性のあるインドネシアに関心を持っていました。留学生活を通して、インドネシアでは日常生活に宗教が深く関わっていることに驚きを感じました。例えば、一日に5回お祈りを行ったり、一か月間も断食を行ったりしており、仕事や経済活動に支障はないのかと疑問に思いました。そこで、インドネシアにおけるイスラム教と国の発展との関係について、調査を行いました。

 

3.どんな方法で調べましたか、またどんなことがわかりましたか。

 

 留学先の大学生約100名にアンケート調査を行い、また3人のイスラム教研究者(ウラマー)にインタビューを行いました。その結果、大学生はイスラム教を現代社会にうまく適用させる形で柔軟に解釈していることが明らかになりました。ウラマーは、イスラム教を固持しているのではなく、現代インドネシアの変化をうまく汲んで多様性を守ることに貢献していたことがうかがわれました。インドネシアの歴史として、もともと様々な宗教があり、それゆえインドネシア独自の柔軟性があることがわかりました。インドネシアでも、時折、イスラム過激派をめぐる問題が生じますが、調査から世界的にはイスラム原理主義ひいてはイスラム教徒に対する警戒感が高まっていますが、少なくともインドネシアでは今後もイスラム教が極端に過激化することはなく、異質なものを認める柔軟性を今後とも維持し続けるであろうと考えます。

 

4.調査や発表でどんなことを工夫しましたか。

 

 調査にあたって、アンケートは、すべてインドネシア語で書き、現地の大学生が答えやすいように作成しました。インタビューもインドネシア語で行いました。

そして発表する際には、アンケートの結果は、グラフ化して比較できるようにし、インタビューは映像としてまとめました。

 

 

5.調査や発表に関して大変だったことなにかあればお願いします。

 

 インドネシア語には besokという単語があり、明日という意味と、明日以降のいつかという意味があります。どちらで解釈するかによって誤解が生まれてしまうのでアポイントメントを取る際には注意しました。ウラマーの方々は、非常に多忙でなかなかお会いできず、アポイントメントを取るまでに、何度もオフィスに足を運びました。

 

 

6.法学科のいいところはなんですか。

 

 法学科は、法律も政治も学べるところが魅力だと思います。ゼミもひとつに限らず、ふたつでも入りたければ入ることができます(※ほかの学科ではゼミはひとつしか選べません)。ひとつの事柄について、いろいろな方向から学ぶこともできるので、より深い学びを得ることも可能です。

わたしは政治思想ゼミ(井柳先生)と国際関係論ゼミ(中本先生)のふたつのゼミに所属しています。例えば、インドネシアについてであれば、今回の研究テーマのような政治思想的な観点からも国際関係論的な観点からも知ることができ、より理解が深めることができていると思います。

法学科の選択肢の幅の広さのおかげで、興味のある事柄について、学べていると感じています。現在は、ゼミのかけもちをしているのは少数ですが、法学科の学生は、ほかの学科ではできないので、ぜひ挑戦してみてください。

 

7.最後になにか一言お願いします

 

 準備期間も含め、長い時間を費やしましたが、学科代表として学生研究発表会に出ることができ、とても良い経験になりました。

 






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