第3回 教授インタビュー

投稿日時 2011-11-07 11:35:03 | カテゴリ: 3.在学生からのレポート(学生レポーター)

浅利一郎先生  人文学部経済学科 教授 
(静岡大学 昭和48年卒業)
 Q1現在どのような研究をされていますか?
現在の研究テーマは、大きく分けて2つあります。
 一つは、資本蓄積や景気変動にかかるマクロ経済動学理論の研究です。
マクロ経済学は国民経済を巨視的(マクロ的)に把握し、その構造、パフォーマンス、
運動等を理論的に理解するとともにマクロ経済政策の基礎理論を提供します。マクロ
経済動学理論は、なかでも経済成長や景気変動を研究対象にします。最近は、数学や
物理学の分野で研究が進んでいる複雑系の理論などを応用する経済変動の理論研究に
取り組んでいます。
 もう一つは、産業連関分析の実践的な拡張として、公表されている国や都道府県の
産業連関表を用いて、地域間連結産業連関表を作成し、地域経済分析に応用できる実
践的な理論と方法の開発に取り組んでします。地域経済に関心ある人や地方自治体の
政策担当者が、だれでも地域間連結産業連関表を作成し活用できるようにすることが
目的です。
 Q2ゼミでは何をされていますか?
 ゼミの共通のテーマは、「マクロ経済理論とそれに基づく日本経済の分析」です。
2年生は、経済数学とマクロ経済学の基礎理論を勉強し、3年生は日本経済の時々の
問題(失業、不況、デフレなど)を選び実証的なデータに基づき理論的に分析し、ゼ
ミ共同論文にまとめます。4年生はこれまでの勉強を踏まえ、自らテーマを決め、卒
業論文に取り組みます。
 Q3学生時代はどのように過ごしていましたか?
 学生時代(1969~73年)はいわゆる「大学紛争」期でしたので、学生運動にも参加
しましたが、勉強には常に関心を持っていました。学生運動などで納得できる勉強が
できなかったこともあり、大学院に進学しました。
 Q4学生時代にこれだけは読んでおけと考える書籍を教えてください。
 書名は挙げませんが、次の2つテーマは学生時代にきちんと勉強することが重要です。
ひとつは、統計学の勉強、データをきちんと取り扱うことは、分野を超えて現代人の基
本的な素養です。もうひとつは、歴史の勉強、これも専門にかかわらず自らの生き方や
考え方を形成する上で大切だと思います。
 Q5在校生に向けメッセージをお願いします。
 人生のうちの貴重な学生時代を大切にして、今にしかできないことに全力をかたむけ
て下さい。

 






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