戸部 健先生インタビュー

投稿日時 2012-09-03 15:53:21 | カテゴリ: 3.在学生からのレポート(学生レポーター)

Q1現在どのような研究をされていますか?  中国の社会や民衆が「近代」という時代を通過することでどのように変わったのか、またそのことが現在の中国の社会や民衆にとってどのような意味があるのか、という課題について、主に19世紀末~20世紀中頃の都市における教育や医療に焦点を当てて研究しています。近年急速の進歩を遂げている研究分野ですので、アジア各国の研究者と切磋琢磨しながらがんばっています。 Q2ゼミでは何をされていますか?  西洋近現代史の教員とコンビを組んでゼミを運営しています。そのため学生も東洋史を専攻する学生と西洋史を専攻する学生とが混在しています。こうしたゼミ運営は全国的に見てもめずらしいのではないでしょうか。私にとって西洋史の報告は時に理解するのが難しく感じられることもありますが、それまで東洋史にはなかった方法論などに触れることもあり、大変刺激的です。おそらく学生たちも同じように感じているのではないかと思います。 Q3学生時代はどのように過ごしていましたか?  学部時代はあまりよい学生ではなかったように思います。2年生まではもっぱらサークルやアルバイトに明け暮れていました。しっかり勉強するようになったのは、2年生の夏休みに中国を3週間旅行してからでしょう。中国の風土を自分の目で見、現地の人と交流することで、俄然勉強する気が沸いてきました。その後、4年生の時に1年中国に留学しました。この留学が、その後の進路を決める上で決定的な要因になったと思います。 Q4学生時代にこれだけは読んでおけと考える書籍を教えてください。  ひとそれぞれ関心が違うので、読むべき本というのもそれぞれ違ってよいと思いますが、とにかく様々なジャンルの本を読んでもらいたいと思います。私にとっては、歴史学関係の書籍以外に、井上靖のシルクロード関連の小説・旅行記や、沢木耕太郎『深夜特急』などが、一人旅や異国の地に対するロマンをかき立てさせるのに大きく作用しました。 Q5在校生に向けメッセージをお願いします。  近年の大学生は、昔に比べ時間的にも経済的にもいろいろと大変なように感じます。そのようななかで、外国に、しかも長期で行くということは年々難しくなっているかもしれません。しかし、それでもやはり大学生のあいだに一度は外国に行ってもらいたいと思います(できれば卒業旅行ではなく、それよりも早い段階で)。「自分の考える常識が外国では常識ではない」ということを認識することが、その後の人生にとって極めて大きな意味を持つからです。どうかがんばってもらえればと思います。






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