こんにちは。学生レポーターの大石 真です。今回は、経済学科の水谷洋一先生のところに行ってきました。
1.これまでの研究内容についてどんな研究をされましたか?
主に、大気汚染などの対策や地域レベルの地球温暖化対策について関わっています。
大気汚染については、東京大気汚染公害裁判という健康被害の裁判で国交省、環境省、メーカー、首都高公団などを相手に専門家証人として地裁、高裁などで出ました。この分野では、チーム全体の研究成果としてディーゼル車の政策立案ができ、新規で健康被害に遭う人を減らすことができました。東京では、もともと20万人以上の大気汚染によるぜんそくなどの健康被害を訴える人がいて、環境としての問題ではなく、最初は治安の問題として始まりました。
地球温暖化対策については、県の政策形成にも十数年近く関わっていて、市町村にも赴いています。(三島市、富士市、富士宮市、沼津市、浜松市など)これについては、地域での地球温暖化対策について浸透はしてきているが、成果にはまだまだ不十分でこれからも政策決定に関わっていきます。論文で賞を取ればいいのではなく、どのくらい現実の問題が改善したかが成果と考えています。
経済状況と排出量について、現実には必ずしも相関しているわけではなく、日本は停滞していても増加傾向にあったり諸外国では違った特徴があったりなどします。
ゼミでは、武田邦彦についても扱いました。もともとこの人は企業の研究者で人数が少ないからこそ注目されています。しかし、彼の言っていることがどうなのかをワークシートを用いて検証したところ、リサイクルについては主張だけでなく根拠、文献を見いだせたがほかは根拠、文献が見いだせなかったのです。またリサイクルの主張に関しても根拠としているものが合致していませんでした。本当らしく思えることと、根拠がしっかりしていることと違うということを見出したということについて研究成果発表会で数年前に優勝しました。
2.研究することになったきっかけは何ですか?
もともとは静大出身で浅井先生のマクロ経済学のゼミにいました。当時は経済成長論が流行っていました。2年公務員の後に、大学院で研究することになったのですが、経済水準がトップクラスの国で何が足りないのかと考え、物質的な豊かさが足りないのは終わっていると考えました。そして、豊かさの中身をつくるものの1つとして環境に興味を持ちました。
また、現実にあまりつながりそうにみえない理論分野にあまり意欲が出なく、現実に貢献できることをしたいと考えていたということもあります。
3.これからどういったことを予定していますか?
自動車の排ガスについて、集大成的な論文にまとめていきます。1番重要なことは継続することで、引き続き県や市町村の政策決定に関わっていきます。
また、来年度から始まる地域創造学環についても関わっています。
4.持続可能な発展や社会形成のためにどうあるべきかと考えますか?
サステイナブルということについて、日本では間違って使われていることがあります。環境を持続可能で健全な状態のまま発展するということを本来は意味します。
そのうえで、市場経済に適切なルールを作っていくこと(公平な税負担など)、健全な環境を維持するためのルールや安善についてのルールが必要だと考えます。
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