こんにちは。
学生レポーターの大石真です。秋も深まりつつあるということで、だんだん涼しくなってきてますね。先生方にインタビューは、今回で4回目ですが、環境に関連した研究の先生のところに行っています。ということで、今回は法学科の米谷壽代先生のところに行ってきました。
1.これまでどんな研究をされてきましたか?
公害被害の救済方策に関心があり、損害賠償のような事後救済はもちろん、近年では、事前予防の観点から行政規制をめぐる問題についても研究しています。現在は、とりわけ土地利用規制と収用の問題に関心があります。公害をはじめ、環境問題に伴う被害を減じるためには、事前の規制が重要な役割を果たします。一方で、沿岸部の規制や湿地帯の規制など、これまで土地利用が可能だったものが、規制に伴い土地利用ができなくなることで、土地の投資の期待や価値の低下が生じ、私的所有者にとっては、地価が下がるなどの悪影響を及ぼします。一度失ったら取り返しのつかない大規模な被害を減じるために、法律上、どのようなアプローチが可能なのか、日米の法制度を比較しながら、事前、事後の両面から検証を行っています。
2.研究することになったきっかけは何ですか?
地球物理学を専門に研究していた父親の影響も少なからずあるとは思いますが、それ以上に、大学時代に素晴らしい先生方に出会うなど、縁があったので、私法領域に軸足を置き、環境法の研究をすることにしました。
3.これからどういったことを研究していく予定ですか?
沿岸部の土地利用をめぐる問題について検討していきます。震災後の動向との関連や、ゆくゆくは、気候変動に伴う土地の増減に伴う権利確定の問題、天然資源と深い関連の領域にも踏み込んで一つ一つ丁寧に研究していきたいです。
また、アメリカ法において、主に環境保護の理念として取り上げられている公共信託理論の機能についても考えていきます。
4.持続可能な発展や社会形成のために、我々自身がどうあるべきかと考えますか?
1つ目に、適切な情報開示を求めること、仮に少ない情報の中からでも、適切な情報を読み取る能力、リテラシー(具体的には、国内のニュースだけでなく、海外のニュースも見て、複数の情報源から必要な情報をキャッチする能力等)が求められています。
2つ目に、身近な環境の変化(以前は、魚つりができていたけど、現在は魚がいなくて、(もしくは外来種ばかりになっていて)できない等)、何がどういうふうに変わったか我々の方が意識しなくてはならないと考えます。
5.その他
神奈川県小田原市の環境マップ(おだわらグリーンマップ)の製作にも携わっていたそうです。この地図は、ただ小田原市の自然豊かなところなどが、世界共通のわかりやすいアイコンで示されているだけでなく、折り方にも特徴があり、太陽電池パネルにも用いられた(ミウラ折りという)かさばらないような折り方がされ、工夫が凝らしてあります。
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