こんにちは!学生レポーターの小林です。
今年は、台風が大きいですね。先日の局地的な大雨によって静岡は大変でした。
断水などもあり、少しでも早い復旧を望みます。
さあ、3本目ということでもう本題に入りましょう。
前回告知した通り、第五福竜丸事件についてレポートしていきます。
(第五福竜丸事件と静岡大学)
標本や人類の文化といった生命力を感じる展示を後にした私は、最後のセクションに向かいました。
実は入口からすぐにあったのが、このゾーン。
皆さんは、静岡大学が「第五福竜丸事件」と関わっていたことをご存じでしょうか。
第五福竜丸事件は、1954年アメリカ合衆国の水爆実験に第五福竜丸と船員が被ばくした事件です。水爆は、核を利用して作る核兵器です。
アメリカは、ビキニ環礁で核実験を繰り返し、その1つであった「ブラボー」が放射性物質である「死の灰」をまき散らしました。結果的に、死の灰は福竜丸の乗組員23人と米兵28人、ビキニ環礁に近いマーシャル諸島の住民236人に降り注ぐことになります。
被ばくした第五福竜丸は、静岡県焼津港所属の船のため、焼津に帰港しました。
広島・長崎に続く核兵器の犠牲者が出たことや、身体の異常を訴えた人が多く、世界を驚かす事件となりました。
ロンドンタイムスは「水爆最初の犠牲者、日本人漁民死す」と報じ、これを期に原水爆禁止運動が行われるようになっていきます。
キャンパスミュージアムには、本学の塩川教授が調査を行い回収した試料や関連品が展示されています。調査は国内外で高い評価を受け、これを契機に静岡大学理学部付属放射科学研究施設の前身が設立されました。
死の灰や当時の新聞がその状況を伝えてくれます。
心の航跡では、乗組員の生の声を取材した記事を集めています
事件後、第五福竜丸は改造され使われていましたが、やがて老朽化し一度は捨てられました。しかし、事件を忘れないように保存運動がおこり、1976年に東京都立第五福竜丸展示館で永久保存されることが決定します。数奇な運命をたどったともいえる船は、静かに平和を祈っていることでしょう。
その後、2010年には事件のあったビキニ環礁が世界遺産となりました。負の歴史を忘れないためです。
今でも核兵器を保有している国はありますし、原子力の平和利用は議論が絶えません。日本も例外でないことは、多くの方がご存じでしょう。
現代にもつながる重要な資料です。
<見学・取材を終えて>
ここまでよんでくれた方、ありがとうございます。長いな~と自分でも思っておりますが、これでもキャンパスミュージアムの一部しか紹介できていません。まだまだ、興味深く、身近な展示品もあります。
キャンパスミュージアムは、様々なことを想像できる空間です。ほとんどの人にとって知らないことだらけでしょう。しかし、展示品はニッチな議論や難しい物語に限定されません。
私は取材を終えて帰宅している夕時、ぼんやりしながら想像を巡らせました。
石の斧に不思議な勾玉。昔の人はどんな生活をしていたのでしょう。
青く光る蝶と白いカラス。彼らがいる世界はどんな景色だろう。
そんなことを考えるのも楽しみ方の1つだと思います。
<さいごに>
協力していただいた、外山さん、宮澤先生、関係者の皆様、今回は本当にありがとうございました。
研究者や運営関係者の熱量と歴史の個性を感じるキャンパスミュージアムに、ぜひ訪れてみてください!
キャンパスミュージアムHP https://wwp.shizuoka.ac.jp/campusmuseum/
人文社会科学部経済学科 小林
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